その電車の中は少しBOXのようになっていて、私たちしかいなかった。
隣に座った、まだ、青さの残る男の子、ヘッドフォンで何かを聴いている。
の、太ももにそっと手を置いてみた。
声を出されたら、とか
睨まれたら、とかいう
どうしよう、は、置いてしまってから
まるで、前にテレビで見た腹話術の中継のようにあとからくるのだった。
男の子は観念したように私を見て
そして、また前を見た。
無かった事のように。
そのまま、私も無かった事のように手を置いたまま、にしておいた。
隣に座った、まだ、青さの残る男の子、ヘッドフォンで何かを聴いている。
の、太ももにそっと手を置いてみた。
声を出されたら、とか
睨まれたら、とかいう
どうしよう、は、置いてしまってから
まるで、前にテレビで見た腹話術の中継のようにあとからくるのだった。
男の子は観念したように私を見て
そして、また前を見た。
無かった事のように。
そのまま、私も無かった事のように手を置いたまま、にしておいた。